3人いれば派閥を作ることが出来ると言われていますが、人数がいればいる程、利害が対立し社内政治が発生してしまいます。つまり社内政治とは、利害が対立したり、考えが異なる複数の人間やグループがあった時に、自分に有利に物事を運ぶ活動の事を言うのです。社内政治の事を嫌う人も多いかと思います。しかし組織で働いている以上、対処法を学んだり、健全な社内政治を行使していかなければいけません。
社内政治にはタイプがあります。1つは組織防衛や自己の昇進を有利にするタイプ。もう1つは根回しタイプ。そして虎の威を借りる狐タイプです。
組織防衛や自己の昇進を有利にするタイプの社内政治とは、社内での昇進や人員配置、予算割り当てなどの権限を持っている権力者に対して、自分自身を売り込む活動をおこなう事です。日本にある多くの企業は四半期や半期ごとに社員のパフォーマンスレビューを行っています。これによって、昇進やボーナスの金額が決定されると言われていますが、実際には上の人間に対して事前にどれだけ自分の事を売り込むことが出来たかで上司の評価が決まっている事があります。
また、上司が部下の評価をする場合には周囲の評判なども調べてからの判断となりますので、直属の上司だけでなく、上司に取って影響力のある人に自分を売り込むことも重要になってきます。しかし、社内でのPR活動に多くの社員が時間を使い過ぎると、仕事の効率が下がってしまい、企業として、マイナスになってしまう可能性が出てきます。ただし、社内の営業活動を行うという事は社員の競争意欲を刺激するという事にもなってくるため、プラスの面もあることは否めません。
次に根回しタイプですが、他の部署や社員に影響がある場合の意思決定をしなければならない時に、自分の主張が通るように進める活動の事を言います。たとえば何かを企画した場合、短期でその企画を推し進めるべきか、長期にわたって企画を進めるべきか、意見が分かれた時には意思決定に影響のある利害関係者に働きかけなければなりません。自分に意見を通すために、根回しをしていきますが、利害関係者と話をする事で、様々な意見を聞く事が出来、プラスの効果が出てくる可能性があります。根回しという言葉を聞くと、日本の企業の悪習慣のように言われてしまうかもしれませんが、欧米の企業でも根回しは当たり前に行われています。
この2つの社内政治のタイプは健全に行われることが出来たのであれば、企業にとってはプラスの働きとなることもあります。しかし、虎の威を借りる狐タイプは企業の為にならないと考えられます。たとえば地位の高い人間を利用し、「あの人がこう言っていた」などと自分の主張を通すことだけを考えているような人の事を言います。企業にとってプラスの要素が全くないことから排除した方がいいと言えます。
社内政治の基盤的な存在として派閥があります。3人集まれば、派閥になるというくらい、派閥はポピュラーなものです。社長の影響力の大きな小規模企業以外は必ずといって派閥は存在しています。ただ、派閥だからといって、すべてが悪いわけではなく、仕事の推進上役に立つ派閥もありますので、それらを見極めることが大切です。
社内では日常的にいろいろな情報が飛び交っています。報告書や集計表のような書類であったり、メールのような電子媒体であったり、噂や口コミなどの会話であったり、形態は様々です。こういった情報も社内政治のフィルターを通過すると、歪曲されたり、あるいは流れを堰き止められたりすることがありますので、その動きに要注意です。
会社にはさまざまな人がいます。あらゆることに反対する人、逆になんでも賛成する人、その真意を読み取るのは難しいため、いっしょに仕事をするのは危険な人たちです。社内にはこういう自分と合わない人、あるいはすべての人と上手く行かない人が存在します。そういった人たちを見極め、その真意まで探れるようになればベストです。
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